カンボジアのシェムリアップ一帯にある、世界文化遺産「アンコール遺跡群」のひとつ、タ・プローム遺跡をご存知でしょうか?
アンコール遺跡群はアンコールワットが有名ですが、その周辺の60近くもの遺跡から構成される広大な遺跡群で、中でもタ・プロームは、遺跡にガジュマルの一種「スポアン」が絡みつき長い年月をかけ侵食した様子が、遺跡発見時の状態に近い姿で見ることができる珍しい遺跡です。
アンジェリーナ・ジョリー主演の映画「トゥームレイダー」の撮影にも使われた舞台は、スタジオジブリの人気映画「天空の城ラピュタ」をも彷彿させます。
アンコール観光した中でも朽ちゆく独特な世界観を放っているタ・プロームが特に印象に残っているので、今回遺跡の情報も兼ねてご紹介したいと思います!
タ・プローム遺跡について
遺跡に絡みついた樹齢300〜400年を超える大樹。タ・プロームではこうした光景を至るところで見ることができます。
遺跡の歴史はそれよりはるか昔に遡ること700年ほど前、大乗仏教の僧院として建てられました。栄枯盛衰のあと長い年月の間ジャングルの中で放置され、近年発見された際には巨木が遺跡を覆い尽くす状態で発見されました。
巨木のスポアンは別名「キラー・ツリー(絞め殺しの木)」とも呼ばれているのだとか。
12世紀末に大乗仏教の僧院として建てられたのち、ヒンドゥー教寺院に改修。創建はクメール人王朝、アンコール朝のジャヤヴァルマン7世。
タ・プロームは現在進行形で侵食が進んでいますが、多くの遺跡が倒壊するなか残り、自然の驚異に曝されながらも共存している様子はアンコール遺跡群の中でも数少ない遺跡です。
私が訪問した際には遺跡内に建機が入り、遺跡の修復作業が行われていました。
遺跡の修復方法についてはユネスコをはじめとした国際機関でも議論がなされていて、今後の動向にも注目を集めています。
自然の生命力に思わず息を飲む光景
タ・プロームの遺跡内部をご紹介します。
正面入口には四方に仏顔が施された入場門があります。アンコールトムなどでも多く見られるアンコール遺跡群を象徴する一つです。トゥクトゥクで回った際はこの入場前の正面付近で降ろされました。
入場門をくぐると長い小道が続き、遺跡内部の建造物までは少し歩くことになります。
歩いてしばらくするとようやく遺跡内部が見えてきます。内部に入ると順路が書いた看板があるのでそれに従い進みます。
倒壊して瓦礫と化したエリアが続きます。タ・プロームはこうした危険が及ばない倒壊した箇所は、人の手を一切加えずそのままの姿で残されています。青々生している苔の感じからも倒壊して長い年月が経っていることが想像できます。
デバターと呼ばれる女神の彫刻も随所に見られます。破壊されて原型をとどめていないものもあれば、見事なまでに保存状態の良いデバターも。
さらに進み祠堂に入ると内部の回廊へと続きます。回廊の中は鬱蒼としていますが、仏像などが残されていてこちらも魅力があります。
回廊を通り抜けて外へ出ると、未だ生命力に満ち溢れるスポアンがいくつも目に入ってきます。侵食され重みに耐えきれなかったのか、足場で補修されているものも。
無機質な鉄骨に支えられた遺跡前には写真スポットがいくつか用意されています。
団体客が多いので結構混雑しています。
大樹に近づいてみると、本当にラピュタで見たような光景が広がっていました。
幹がまるで血管のように縦横無尽に走っています。
デバターを飲み込んだのでしょうか。幹の中から少し顔を出している巨木もありました。自然の生命力にはただ圧倒されるばかりです。
中庭にも倒壊した石がゴロゴロ転がっています。少しここで足を休ませて貰います。
ちなみにタ・プロームは周囲を木々に囲まれているので、私は5月の暑い時期に訪問しましたが、直射日光を直に受けないせいか他の遺跡よりも過ごしやすい印象でした。
遺跡内部は足元が整備されているところもあり歩きやすかったです。
御神体をまつるこの祠堂には偽窓と呼ばれる窓を模した装飾が見られます。
パノラマモードで撮影するとこのような感じで撮ることができますよ!
袈裟を着た若僧の方もいました。これも修行の一つなのかな?
タ・プローム遺跡の位置
シェムリアップ市街からはトゥクトゥクで約45分程度。ツアーではアンコールワット、アンコールトムなどを回った後で訪れることが多い場所に位置しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アンコールワットやアンコールトムと並ぶ人気の遺跡ですが、周囲を静謐な森に囲まれ、創建当初の雰囲気を体感できるのはタ・プローム遺跡ならでは。
遺跡群を回る際はトゥクトゥクのチャーター以外にも、現地カンボジア人のガイドさんが見どころを日本語で教えてくれるツアーがオススメです。
滞在先のホテルまで送迎してくれるだけではなく、事前にアンコール遺跡群の観覧チケットを持っていなくてもチケット売場へ誘導してくれるので、安心して回ることができます。
私は事前に以下のサイト「ベルトラ」から現地ツアーの予約をしました。アンコールだけでもたくさんのツアーが用意されていて、日程と相談をしながら決めることができるのでオススメです。是非これからアンコールワット旅行を考えている方は利用してみてはいかがでしょうか。
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